2022年8月発足した第2次岸田改造内閣。相次ぐ辞職で話題となっていますが、それとは別に発足時に少子化対策や男女共同参画担当が41才の若手大臣で注目されていました。複数の担当の兼務ですが「孤独・孤立対策担当」も兼任されています。
これは、2021年2月の菅内閣から設置されているポストで、同年12月に孤独・孤立対策の重点計画が策定されました。
この「孤独と孤立」について、重点計画概要の基本理念の記載の中で、
・「孤独」は主観的概念、ひとりぼっちと感じる精神的な状態
・「孤立」は客観的概念、社会とのつながりのない/少ない状態
とされています。
※孤独・孤立対策の重点計画 概要①
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/juten_keikaku/pdf/jutenkeikaku_gaiyo.pdf
「当事者や家族等の状況は多岐にわたり、孤独・孤立の感じ方・捉え方も人によって多様」であり、「一律の定義で所与の枠内で取り組むのではなく、孤独・孤立双方を一体で捉え、多様なアプローチや手法により対応。」とされています。
ここでは孤立と孤独を同じものととらえているように思えます。
ただ『「望まない孤独」と「孤立」を対象として取り組む。』とされています。
これは、それなりに納得できますが、とはいえ「望まない」が微妙な感じがします。
このラボでは『孤独は受け入れよう。しかし孤立は悪』と、はっきり違うものととらえています。
経営者をはじめ、起業する人も「孤独」なものです。
孤独を受け入れられない人は、ビジネスもうまくいきにくいという実感があります。
会社員生活があたり前になっていると、仲間や先輩、後輩などに囲まれて仕事をしていることに特に意識が向きませんが、独立してみると、突然孤独感を感じるようになります。そこで、つい飲みに誘ったり、群れようとします。
それはそれでよいのですが、経営者は孤独なものです。ある程度それに耐える力をつけないとどこかで壁がきます。
そこで必要なのがメンターの存在です。
でも、メンターの役割は孤独を解消することではありません。
もちろん孤独感も解消できますが、重要なのは孤立を避けることです。
経営者や起業家は、結構「孤立思考」な人が多いと感じます。できる人ほどその傾向があります。本当にできる万能な人はそれでもよいかも知れません。
しかしそれはカリスマ経営者とも言われる人たちで、ほんの一掴み。一般の人は、それをマネしてもうまくいきません。
経営者や起業家は、孤立してもいいことは何一つありません。そんなことくらいはわかっていても、思考がその傾向な人が多いのが実情です。それを自分で気づかないことが大きな問題なのです。
自分は孤立してもできると思っている人。それらの人の孤立は悪でしかありません。
ウクライナ侵攻も「孤立思考」が生んだ結果のように思えます。他にもいろんな国や政府が孤立思考傾向が強くなっているように思えます。誰しも世界がその方向に向かっていくことはよくないという感覚はあると思います。
でも、多くの経営者や起業をしている人が、自分がその「孤立思考」になっていることに気づいていません。それらに対して丁寧に具体的に指摘すれば、それに気づく人がほとんどです。
これらのメンターの仕事はとても大事です。