起業や転職相談の際、多くの人が「できるだけたくさん経験や知識を活かしたい」と言われます。そりゃそうでしょう。

でも、そこだけ切り取って言えば、身につけた経験や知識は「すべて必ず活かせます」。どこかで必ず活きてきます。特に「経験」したことは、とても貴重なものです。活かされない経験なんてありません。

ある程度、年齢を重ね、経験をつんでいくと、これまでの自分に起きたことは、すべて今後の必然と考えられるようになるものです。

問題の本質は、
「そのまま使える経験や知識かどうか」ということです。

起業や他業種への転職では、新しく身につけないといけないことが多大にあります。これまでの経験や知識に加えて、新しいことを身につけようと皆、考えるわけですが、その2要素の意識しかない人はだいたい失敗します。

これまでの経験や知識、さらにスキルも含めて、それらには、そのまま使えるもの と、変えないといけないもの があるのです。

経験やスキルの活用方法について、そのままではなく頭を使わないといけないことがあります。要は、経験にもとづいたことでも、思考方法を変えないといけないことがあるということです。そのまま使える思考と、変えるべき思考の境界線がとても重要となります。問題は、その境界線が自分ではよくわからないことです。

まずは、自分の思考の分析や考察をするのに自分の思考が邪魔をします。そこで、経験者やコンサルタントなどから教えを乞うわけですが、知識に関しては、使える使えないの線引きは比較的簡単でしょう。でも思考に関しては、そう簡単にできるわけではありません。

少なくとも、長く会社員をしている人、会社員しかしたことない人は、頭のすべてが会社員思考になっています。良くも悪くもです。

起業するには、経営者思考でないとうまくいきません。
これは、知識ではないので、簡単には身につきません。セミナーや書籍などで勉強して、わかったと思ってもなかなか実践ができにくいものです。

今の時代、起業セミナーや起業支援は有料無料含めてたくさんあります。でも、まだまだうまくいく人の方が少ない世界です。

起業支援をして感じることは、起業してうまくいく人が少ないのは、この思考部分に視点がおかれていなかったり、視点をおいていても、なかなか思考転換を実践できないことが、大きな理由だと確信しています。

経験的にこの思考転換や思考改革ができやすいのは 48才まで。36才~48才の間に身につけておくことが一番よいです。それを超えると多くの場合かなりタフなトレーニングが必要になります。