「キャリア」は、英語 Careerの日本語訳では「経歴」です。

キャリアパス、キャリアプラン、キャリアマップなどにおける「キャリア」は、「経歴」と考えてもよいと思います。でもその「キャリア」は、企業内におけるキャリアにフォーカスしていているように思います。

しかし今や、人生100年時代、会社員でも定年後のキャリアも考える必要があり、さらに働き方改革時代、人の流動化も促進さていくでしょうから、ますます一つの企業で定年まで働くことは稀れになり、独立起業するという人も増え、さらに副業・兼業など同時に複数の仕事をするようになると、単に「経歴」というとらえ方では事足りません。

ちなみに、中央教育審議会が、平成23年1月にまとめた「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」に、キャリア教育についての提言が書かれています。その中で、「キャリアの意味するところ」は、「人が生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係を見出していく連なりや積み重ねである。」と、されています。

提言では、このあと学校教育におけるキャリア教育のあり方が述べられていますが、この「意味するところ」は、学校教育だけでなく、一生涯の本質的なところを突いたものであるように思います。

すべての人は、「社会的存在意義」があります。すべての人には社会的な役割があります。それを全うすることこそが、それぞれの人の人生の目的であり、人生はそれらを全うするためにある、と考えることもできるのではないでしょうか。

とすると、「自分の社会的な役割は何か?」を見つけなければなりませんが、それを見つけることがキャリア形成の一つのステップであり、それは、20代中に見つけることが理想でしょう。
もちろん30代になれば手遅れということではありませんが、少なくとも社会還元フェーズが始まる30代後半までには見つけたいところです。それらが見つからないと、そのあとずっと悩む人生になってしまいかねません。できるだけ早く見つけようとすることが重要であると考えます。

※このコラムは「WoLicasコラム」(一部修正)より転載しています